じぇれみー

デス・ウィッシュのじぇれみーのレビュー・感想・評価

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)
3.8
【ウィリスの持ち味を再確認できる娯楽ドラマ】

愛妻を殺された外科医は闇の処刑人と化す!ビジランテものの先駆け『狼よさらば』を、イーライ・ロスはいかに現代に蘇らせたのか?

結論から言えば、チャールズ・ブロンソン主演の『狼よさらば』とは異なる味わいのエンタメドラマに仕上がっています。

ビジランテ(自警団)ものが珍しかった時代に作られた前作は、己を餌にして粛正を繰り返す主人公を通し、社会に一石を投じました。私刑の是非を問うたのです。
しかし、今やビジランテものが一般化し、アメコミヒーローものまで私刑の是非を扱う時代。
そこで、脚本のジョー・カーナハンは、オリジナルの美点である後半を切り捨てました。
ここは賛否が分かれるところでしょうが、私は賢明な判断だと思います。

では、ジョー・カーナハンは後半にどのような展開を用意したのか?
これは観ていただく方がいいでしょう。正直やや月並みな展開であることは否めません。

しかし、元々リーアム・ニーソンを想定して書かれた脚本は、図らずもブルース・ウィリスの本質的な魅力を引き出します。

今では無敵のタフガイとして知られるウィリスですが、『ダイ・ハード』が評価されたのは、彼がスタローンやシュワルツェネッガーのような無敵のタフガイではなかったからです。
普通のおじさんの弱さを、時にエモーショナルに、時にユーモラスに演じられることこそが、ウィリスの最大のストロングポイントだったわけです。

そして、ニーソンを想定して書かれたドラマ性溢れる脚本が、忘れられていたウィリスらしさを引き出しました。

これぞ、ブルース・ウィリス完全復活!

決して強くない、こういうウィリスを見たかったんですよ!

というわけで、ウィリスファンの私は、この作品に大満足です。
外科医が処刑人になる過程も丁寧に描かれた新生『デス・ウィッシュ』は、思いっきり感情移入してご覧ください。
随所に見られるイーライ・ロスらしいグロテスクさと不謹慎な笑いもいいアクセントになっていますよ。