ボンクラユースケ

デス・ウィッシュのボンクラユースケのレビュー・感想・評価

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)
4.5
秋のイーライロス祭り2本目。
児童向けノベルの映画化の次になんとあの70年代自警団映画の傑作「狼よさらば」のリメイクを監督というんだからこれまた驚いた。(海外の公開順ではデスウィッシュのあとにルイスと不思議の時計が公開されてます)
そして主人公ポールカージーにブルースウィリスですよ。 チャールズブロンソンの真逆のような俳優を起用したなと僕は思ってて、やっぱブルースウィリスになるとブロンソン特有の優しい野性味とかが削がれてただただ怖いおっさんになっちゃうじゃないですかそれは。
でも結果として凄い良かったですこのキャスティング。 ブルースウィリスの良さは哀しみの表情にあるんだなぁと。
むしろブロンソン版よりやっぱり倫理観という点においてこの映画は現代的なリメイクにちゃんとなっているなと感じました。 何を見せて何を見せないのか、がこの映画には明確にあって、例えばブロンソン版にあったレイプシーンっていうのが丸ごとなくなって、その分敵の殺され方の惨さが剥き出しになっているんですね。 ここぞとばかりに脳みそが飛び出たり、イーライロス楽しんでるんやろうなあと笑みがこぼれちゃいました。
あとこのリメイク版では敵のしょうもなさというのもよりはっきり打ち出していて、そこにも共感しました。 悪っていうのは全然カッコ良くなくて卑近なものなんだ、だから怖いんだよってことをちゃんと描いてるからこそ、凄くエモーショナルな映画になっているなあと。
イーライロスの仕事に感心するばかりの秋なのでした。