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花筐/HANAGATAMIの62355cinema5のレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
4.0
名匠・大林宣彦監督の話題作が、ここ北九州にやっと来ました。
小倉名画座 昭和館で、封切り上映。ありがとうございます😊
監督渾身の作品です。尺の長さなど気にはならなかった。

「国民の命は国家の命」という考え方が主流であった時代を舞台に、命の尊さを問いかける。

1941年、佐賀県の唐津が舞台。
美しい叔母、圭子のもとに預けられている榊山は、大学予科で鵜飼や吉良と級友になる。
榊山は、結核を患う従姉の美那へ恋心を抱いていたが、太平洋戦争開戦の知らせは、周囲の者たちの運命全てを変えていった

全編を通して、とにかく圧倒される映像美。
幻想的な月の描写、夜の海の情景、唐津おくんち祭りの鮮やかな山車など丹念に描かれており必見。

特に、血を象徴する「赤」の描き方は素晴らしく、赤ワイン、真っ赤な鯛の山車、圭子が着る赤いドレスなどが、死を連想させるものとして出てきます。
ここで、祭り関係者に申し訳ありませんが、赤い鯛の山車が若者たちを飲み込んでいきそうな錯覚を覚えました。

さらに、白いハチマキに口紅💄、白い蛇、白い軍服、白い粉薬の「白」に対比して、赤が強調されていたのも印象的。
とにかく、映像の美しさに惚れ惚れです。
常盤さんも綺麗だなぁ〜。彼女の美貌にウットリです。

たしかに、ぶっ飛ぶようなエピソードもありますが、何も無いかのように見せる監督の手腕も凄い!

また、観ていて思ったのは、「この世界の片隅に」が実写版で唐津を舞台にして描いたらこんな作品になるかなぁということ。
若者たちの平穏な日常が静かに崩れていくさまが痛々しく感じられました。
そして、戦争の愚かさが痛烈に伝わってきました。

「ふとした弾みで立ち上がる。戦争が始まる時とはそんなものかもしれない」というのは、なんとも意味深な言葉。

観に来られていた人の殆どが、シニア世代orそれに近い年代の方々でした。

選挙権年齢も引き下げられたのだから、多くの若い人たちに観てもらって平和について考えて欲しいと思った作品です。