ゆみこ

花筐/HANAGATAMIのゆみこのレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
3.5
エネルギーの輝き、生の煌めき。
命を燃やすことの美しさ、それを通して問いかける生命の価値。
ジャブなんかではなくストレートでぶち込まれるようなそのメッセージの強さに圧倒された。

序・破・急と展開していくこの作品は、物語が進むほどにパワーを増し、私たちの視線を、感情を掴む。
時代設定のわりに現代的な髪型や時代錯誤のメイク、窪塚俊介の張り付けたような気味悪い笑顔とやけにわざとらしい話し方、鮮やかすぎる映像と合成。
冒頭はそれらに嫌悪と不安を感じたが、その不自然さにも抗う映像の力。

特に”急”からの盛り上がりには感服。
祭の鼓笛と軍歌、か細く響く女の歌声。それらが奇妙なアンサンブルを奏で、物語により膨らみを持たせていたのが印象的。

しかし、女優が脱がず、不自然なニップレスおよび前貼りをしていたのが残念。
性的な意味ではなく、それがとても重要なシーンだからこそ違和感を感じた。
ゆみこ

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