ひへの

花筐/HANAGATAMIのひへののレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
4.0
佐賀県が舞台になっているという切っ掛けで観たら思わぬボディーブローを喰らった。
この監督の以前の作品も原作も事前情報のない無知だった私。

ふらりと暇つぶしで入った喫茶店でやばいクスリの混入した水を飲まされてしまった気分。

劇画調?な漫画みたいな映像。
凄い。疲れる。長ぁ。。(3時間あります)けど最後まで見届けなければ永久に迷宮の途中で、その最期の場面で取り残されそうで。怖い。
見入ってしまう。

冒頭の教室でクラスメイト3人のそれぞれの授業の抜け出しかたのシーンが面白かった。
全員気持ち悪い。しかしどこか既視感のある人々。騙し鏡のように問いかけられる。圧縮された密度。三半規管をかき混ぜられたみたいにクラクラした。くどい。目を背けるようなグロいシーンは無いけどトラウマを植え付けてくる系映画だと思いました。
美しいのかおぞましいのか。
愛なのか憎しみなのか。
狂っているのか純真無垢なのか。

おそらく30代以上の俳優たちが17歳の役をやって違和感がない(笑)
この非現実感のなかで鮮烈に印象を残してゆくキャラクター達。

悪夢を見たようだけれど幾つもの確かな現実の場面を重ねたコラージュのような
隙間のない作り込みに圧倒され目が離せなかった。
お疲れ様でした。
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