あきら

花筐/HANAGATAMIのあきらのレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
4.5
「諭されて赦されて清められ」
この言葉がぐっさりと残ってます。


女は悲しい、男はかわいそう。
孤独ゆえに美しく常に闘い続けた男と、断固たる逃亡者。そして傍観者。
月を背負う美奈子は生の象徴だし、女の血と男の非現実。
悪夢みたいな原色、グロテスクな美、そして流れるノスフェラトゥ。
唐突な足のアップとかさ、こうきたらこうくるっていう統合性すっとばしたひっちゃかめっちゃかな演出。
そもそもキャスティング⁉︎
やりたいこと全部ぶっこんできてる感がすごい!
なんかもうすごい!


窪田さんのワザをとらしい童貞くささに笑い、
「美しい男」を体現する満島さんのの鼻筋の説得力に深く頷き、
長塚さん⁉︎え⁉︎長塚さん⁉︎⁉︎⁉︎

常盤さんの円熟味のある美しさを堪能して
HOUSEの時の池上季実子を彷彿とさせる矢作さんに平伏した。ってかめちゃめちゃHOUSE思い出してた。
門脇麦の暗さと山崎紘菜の豆腐屋の娘のありふれ感とかもね。

けどその全部が戦争に塗り込められていくんだっていう、残酷さ
たしかにこれは「戦争映画」だった。直截的な描写こそないのに、妙に肉薄した戦争を感じた。

ほんとなにもかも目が離せなかった。
そしてこの目が離せなさこそ天才の仕事なんだろうね。
大林監督はどこまでも大林監督だわ。すげーわ。


強いて言うなら唐津弁に字幕ほしい。
あきら

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