つき

カランコエの花のつきのネタバレレビュー・内容・結末

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ずっと見たかった作品。

エンドロールで、劇中の感情が積もったものが溢れて涙がとまらなかった。
丁寧で繊細で感動して、この話をこの時間にまとめていていることもすごい。

映したかったものがあるから、何かは犠牲にしないとそれを作り出すことはできないかもしれない。
実際作り出された世界は素晴らしかった。

だけど、すごく感情が溢れたものだからこそ、養護教諭や保健室の描かれ方が悲しくて辛くなってしまった。
そんなのじゃないのにそうじゃないのに。
って思っても、あれがなければ世界は始まらなかったわけで。
あまりにもリアルにそこに存在する世界みたいだったから、自分がフィクションとして受け止められなかった。違うって言いたくなった。

でもこれも自分の立場をただただ肯定しようとしていることに気づいた時も悲しかった。

養教に、人生を救われたというひともいれば、傷つけられたという人も実際はいるわけで。
キラキラした日々を、一瞬で変えてしまうこともできる立場なんだなって改めて感じた。

その後、コメンタリーもあったので見てみると、この溢れてよくわからなくなっていた感情を少し整理することができた。

この4年で随分変わったと仰っているところがあって、本当にその通りだなと思った。
あの当時理解したつもりでああ言う行動をしたのかもって思ったら納得してきて。
こういうことって今後も起こりうるよなって。
新たな課題が出て善意のつもりがこうなっちゃうこと。

当事者ではなく、他の視点からっていうところや、高校という舞台、基本劇伴がないなど、脚本演出そして出演者の芝居含め素晴らしかったです。
つき

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