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カランコエの花のがんがんのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.5
ずっと観たかったカランコエが明日23日(日)の24時まで2日間限定で無料配信してくれています。

https://vimeo.com/553255054?ref=tw-share

また起きてしまった政治家の差別発言により、監督が監督なりの意思表明として無料配信に踏み切ったとのことです。一体どうしたら差別を無くすことができるのか?

約40分のショートフィルムですが、主題が濃密に込められていました。

恐らく学生の教材として授業の中で見てほしい、ここから何かを学んで欲しいとの意図があって、この上映時間にしたのではなかろうか。

エンドロールまで丁寧に、溢れんばかりの熱い想いが込められていたと思います。


「LGBTQの人々を差別してはいけません」

この一言に…どれだけの傲慢が、いかほどの特権階級意識が、無意識の差別感情が含まれているのか。差別は無くなって欲しいと思いますが、ひとに向かって差別をしてはいけません、と言うことの愚かさと恐ろしさよ。これはひとに強要することではなく、自ら知ろうとすることが大切なはず。

観客すらも巻き込んだ、まるで犯人探しのような作品構造が本当に巧みでした。

誰がそうなのかと詮索する必要もないし。知ってはいけないことと無視をすることもないし。そうなんやね、と思うだけで良いのに。ありのままで…それ以上も、それ以下も何も必要ないはずなのに。



手島実優さん目当てでずっと観たかった作品ですが、ほんの短い時間の中でも説得力のある女子高校生役をされていました。

めちゃめちゃ幼い今田美桜ちゃんのお芝居も新鮮でした。赤いシュシュに込められた意味…


広瀬すずちゃんや土屋太鳳ちゃんクラスの俳優は出て来ませんが、素晴らしい名作だと思います。

無料配信していただきありがとうございました。
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