あんがすざろっく

カランコエの花のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.2
「少女は卒業しない」を観て、中川駿監督が気になって鑑賞しました。

39分という短編ながら、作品の力は長編にも勝ります。
いや、短編だからこそ、伝えることが真っ直ぐに伝わってくるのでしょう。
この作品に、映画的な展開は不要です。


僕が学生の頃は、LGBTQってそれ程話を聞いたことがなくて、だからあまり意識をしたことがなかったんだけど、今は身近にあることなんですね。

遊び半分、興味半分の生徒、本気で悩み続ける生徒、どうしたらお互いの気持ちを分かり合って、話し合って、お互いを認め合えるんだろうな。



「人を好きになるのに理由なんか要らない」って言葉をよく聞きますね。
そういう歌を歌っている、若いアーティストもいるはずですよね。
それなら男が男を好きになっても、女が女を好きになっても、おかしくないよね。
理由なんかないんですよ、好きになってしまったら。

相手が自分のことをどう思っているのか不安だから、なかなか伝えられない気持ち。
でもそれは、男と女の間だって、同じじゃないですか。

周りの人に知られたら恥ずかしい、だから伝えられないのだとしたら、やっぱり周りが変わらなきゃいけないのだと思います。

中高生全員がそうだとは思わないけれど、みんな人を好きになったり、恋をしたりっていう話に、興味はあるはずですよね。
大抵そういう話とか噂って、みんな茶化したり、冷やかしたりして騒ぎたてちゃう。
羨ましさとか、自分の恋愛感情の照れ隠しとか、それが若いってことなんだろうけども。

本気で誰かを好きになる。
周りの人の気持ちを思いやれる。

大人になる前に、そういう心の授業も必要ですね。
本作で描かれた授業が、当たり前のように受け入れられる時代が、早く来ますように。
恋愛感情で行き詰まったり、息苦しい思いをする人が、少なくなりますように。

本作での渦中の本人が、1番勇気があったと思います。
クラスの誰よりも強かった。

「カランコエ」の花言葉は
"あなたを守る"



最後に。
映画的な展開は不要とは書いたものの、僕にとって女優さんの魅力は無視できない訳で、主演が今田美桜さん。
7年前、まだあどけないですね。
でも本当に、「今田美桜さん主演」というふれ込みは全く伏せていいと思います。
それでも、彼女が主演ということで話題に上るなら、それも一つの作品の認知方法かな。
是非学校で上映するべき作品。
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