ゆき

カランコエの花のゆきのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.1
マイノリティの在り方

ある日唐突行われた「LGBT」についての授業。それは私たちのクラスだけだった。

傍観者は楽しむことも関わらないこともできる。関係者になった時の表情の曇り方も含めて、とっても生臭い作品でした。
護るってなんだ?貫くってなんだ。
胸はずむ恋の話は、互いに交わしたい。自分の胸の内ではなくて人と。

淡い半透明な色味で描かれた約40分。
この日常にずっといたかのように時間の感覚が歪むほどずっしりしていた。
お花を買って好きなパン屋さんに寄って帰ろうなんて軽い足並みで向かったアップリンク。
鑑賞後はすぐに帰れず、太陽の下でぼーっとしてしまった。
予定のないはずの土曜日の午前中。
自分だったら?彼女はあのとき?と考えを張り巡らせる作品に出会いました。
吹奏楽の活力から始まり、揺れ動く感情をもって美しく終わる一作。
今度は違う境遇で、別の視野を持って向かい合いたい。
ゆき

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