かじられる

カランコエの花のかじられるのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.0
伝えたいことは届かなくて、届かないから叫びたくて、聞こえるのは、悲鳴に似た祈り。

きみを理解したくて耳を澄ましたはずなのに、ふとした笑みも背中の温もりもこぼれてしまった。世界中がきみのものであって欲しい、そんな願いもわたしの戸惑いの速度には間に合わなかった。

空気がずれていって、いつの間にか、教室の温度が低くなったよ。

誰も間違ってはいないのに、誰かを傷つけてしまう、きみのための悲しみは、わたしを軽蔑する視線に変わればいい。わたしを、わたしのまま、固定すればいい。

もう誤解なんてさせたくない。希望と失望が平等に広がる、わたしたちの湿原。消えてしまったきみの苦しみを、せめて花言葉に添えて。
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