スカッとフェイス

カランコエの花のスカッとフェイスのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
3.7
善意からだけになお厄介な事態を悪化させるしかない無思慮なお節介ほど人を傷つけることはないということを嫌というほど教えてくれる。

くっそあの保健の先生!!なんや得意気な顔で授業して!!笑

修学旅行の班決めで1人残っていたA君を入れるようにクラスのみんなにお説教していた小学校の先生と気まずそうに下を向いていたA君のことを思い出した。

教師の気づかいが当の本人からすればさらし者になっているだけでもうやめてくれよ!!となっているような経験は誰しも一度は経験したことがあるんじゃないかな。



どことなく岩井俊二作品を思い浮かばせる鮮やかで美しい画作りや教室の生々しく見ていてこちらの胃が痛くなるほど気まずい空気感は完全に画面の向こう側の当事者にさせられるほどの力があるし前述したような学生時代の似たような記憶を無理やり引きずり出された。

40分程度の短編だが見終わった余韻やその後に深くズシンと残る感慨はそこらのメジャーの長編映画よりよっぽど大きいし観客を引きずりこむのに上映時間の長さは関係ないんだなぁとつくづく思わされた。


近年日本でもLGBTQに関する理解やリテラシーはゲイの方のテレビ出演の増加や(それによって生まれるまた新たな問題もあるがそれは置いといて)多くのハリウッドスターなどのカミングアウトによって昔と比べて高まっているとは思うが、実際に身近な人からのカミングアウトを受けた時の反応まではわからない、という人も多いだろうし、それを考えるためにも正に中高生などに教材として授業で流してほしいと思う。
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