愛

カランコエの花の愛のネタバレレビュー・内容・結末

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

1時間未満なのでもっと長くやって欲しいと思った。桜ちゃんがどうなったのかとか、あの後今田美桜がどうしたのかとか。

先生のlgbt教育の甘さ
生徒に相談されて、頼まれた訳でもないのにそれを授業としてその生徒がいるクラスだけに教えた事。それに対して生徒が違和感を覚えて直接聞いて嘘でも否定するか他のクラスにもこれから行うとでも言えばいいのに有耶無耶にした事。あまりにも無責任すぎるし、勇気を出してカミングアウトしたのにそういった対応を取る事が考えられない。これが今の学校で行われている現状なのだろうか。

生徒の反応
lgbtの授業が特定のクラスでしか行われなかったことが、変だとクラスメイトにいるからなのだと思う事は自然であると思うし、そういった人と関わる経験がないがために拒絶的に感じたり理解が出来ないと思う事もわかる。それがいじめに発展したり、当事者を異端者として扱ったりしてしまうのか、理解しようとして努力するのか、一人一人が葛藤している様がありのままに描かれていると思った。
身近な人がlgbtだということが分かった時にどう接していいのか分からないというのは本当に当たり前に抱く疑問。もし自分だったら今まで通り周りの人の恋愛と同じように考えて接していきたいと思う。実際のところ誰と接する際にもどうしたら気持ちが伝わるとかお互いを理解してもらえるのかだとか考えるのは当たり前な訳だからそれと同じようにしていけばいいのかなと思った。勝手な持論。

友人がレズビアンで自分のことが好きだったという事実
今田美桜がこの立場なので、この主題が1番メインに描かれてる気がする。
結果的に彼女がした行為(さくらはレズビアンでないと否定して黒板の字を消す、さくらがカミングアウトする際にそれを知っていながら何も知らないフリをし、何かいつもと違うことがあったのかと聞く)は、さくらがして欲しかったものとは違い、自分のセクシュアリティを否定もしくは見て見ぬふりをしている事になる。さくらはただ彼女のことが好きで理解して欲しかっただけで、一方で今田美桜は彼女を守ってあげたかっただけなんだけど。このお互いの思いのすれ違いは見ていてとても辛い気持ちになる。


レズビアン本人の心境
結末を知った後に見返すと、仲良し4人の何気ない会話にも気がつく点がある。
新しい物理の先生が塩顔イケメンだと話していたシーン。これはさくら目線からすると彼女が好きな人含め他3人は異性愛者で自分とは違うということを思い知る。さくらと今田美桜のシーンでも何となくさくらが好意を抱いていることがわかるところもあり、異性愛の恋愛と何ら変わりのないものだという事を表している感じ。
さくら自身、クラスで感づかれ今田美桜に告白出来ず、受け入れてもらえるのかがついに分かってしまうという瀬戸際で黒板に事実を書いたのかなと思った。
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