ブルームーン男爵

マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年のブルームーン男爵のレビュー・感想・評価

3.5
靴の王様マノロ・ブラニクに迫ったドキュメンタリー。モデルのイマン、デザイナーのパロマ・ピカソ、歌姫リアーナ、米国版ヴォーグ編集長のアナ・ウィンター、映画監督のソフィア・コッポラなど錚々たる面子が彼の魅力を語っていく。

インタビューの中で、ブラニクは、スペイン近現代において映画監督アルモドバル、画家ピカソに並ぶ重要な存在だと言及されているが、彼のファッション界に与えた影響は一般人の我々が想像する以上に巨大らしい。

それにしても彼はチャーミングだ。寂しいから友達に電話をかけまくるらしいが、絶対に誰かと一緒には住みたくないらしい。家や工場にこもって、靴のことを考えるのが彼にとって至福らしい。そんな彼が実は若いときに国連で働いたことがあるとは意外だった。あまりにも退屈でファッション界に入ったらしいが、彼の判断は正しかった。ちなみに、タイトルの副題が「トカゲに靴を作った少年」だが、これは実際に彼が子供のころにトカゲに靴をつくったから。

彼に関するインタヴューなどは興味深いが、全体的にドキュメンタリーとしての深みが浅いように思われた。