小一郎

女の一生の小一郎のレビュー・感想・評価

女の一生(2016年製作の映画)
4.1
千金の重みを持つラストの一言のために2時間耐える映画。個人的にはとても面白かった。この一言を聞いてニヤニヤしちゃった。さすがモーパッサン。

原作はフランスの文豪ギイ・ド・モーパッサンが1883年発表した同名小説。未読だけど、モーパッサンといえばNHKラジオの英会話教材で『首飾り』という短編を英語(笑)で読んで、最後にガツンとくる系の作家という認識。なので、いつもなら寝落ちすること請け合いな静かなシーンの続くこの映画を、オチを楽しみに観ることができた。

ストーリーをキッチリ作って、時間順に追うのではなく、行ったり来たりしながら、歓びと、それを上回る辛い出来事のシーンを、言葉の説明なく繰り返す。これが睡魔を招くことになるのだけれど、普段の生活を切り取ったともいえ、自然主義文学の考えに沿った方法なのかな。

描かれるのは当時のフランス女性の当たり前な姿なのかも。自立することを許されず、人生における重要な選択を自分の意志では何一つ決めることができず、他者に振り回される。一番ひどいのは神父様ですな。あれは膨らませればもう1本映画が作れそうな気が。

幸と不幸を数値で量れるならば、自分の意志を通す自由のない当時の女性は不幸の量の方が圧倒的に多かったのかもしれない。それでもラストシーンとそこでの一言ですよ。解釈によってはそれほど良くない意味にも取れるけれど、自分的にはこれはアレ、人生を肯定できる瞬間。この瞬間を観るために、眠気に耐えた価値があったのかも。

●物語(50%×4.5):2.25
・実存主義を感じさせる物語。当時の時代背景を勉強しておいたらもっと面白かったかも。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・退屈になって眠くなったりするけれど、ラストを楽しみに観るとイイかも。

●画、音、音楽(20%×4.0):0.80
・映像は美しいと思います。