emily

女の一生のemilyのレビュー・感想・評価

女の一生(2016年製作の映画)
3.5
フランスの文豪ギイ・ド・モーパッサンが1883年に発表し、何度と映画化された「女の一生」を改めて映画化。修道院長で教育を受けたジャンヌは、親の決めた子爵ジュリアンと結婚するも、度重なる浮気、息子の裏切りなど困難に直面する。


暗い色彩、繊細な描写、アップを多用し、窮屈さを感じさせる。それはそのままジャンヌの人生と重なり合い、揺れるカメラが不安定な彼女の心情を浮き彫りにする。時折過去の思い出が挿入され、淡い色彩で今との対比がうまく交差し、現状の孤独感がしっかり伝わってくる。

世間知らずの彼女の隙は周りから利用され、度重なる不運にただ身を任せ、常に気品を漂わせ、寛大な態度で現実を受け入れ、慎ましくいきていくジャンヌ。過去の幸せな時間が心を豊かにし、些細な開放的な時間が心を埋める。二人の神父の助言は対照的だが、そこに伴う結果はさらに彼女を追い込むことになる。
人生とは時に残酷で、度重なる試練を与えられる。しかしそれをどう捉えるかで、かならず幸せはその中にある。求めず、要求せず、あるものの中に見出す。

夫も息子も家も失い何もなくなった時、それでも寄り添ってくれる人がいる。そして最後に小さなプレゼンがある。そう、色々あったが、その小さな命を目にしたら、人生捨てたものではないと思えてしまう。ほんの小さな幸せで、しっかりこれまでの苦悩を塗り替えることができるのだ。