女の一生の作品情報・感想・評価 - 8ページ目

「女の一生」に投稿された感想・評価

シアフランス監督作『光をくれた人』と本作『女の一生』における『許しの解釈』は、『根本的に異なる印象』を受けました。


『光をくれた人』における許しとは、相手の許しを乞うことはせず、『罪を背負う覚悟』を決めた者に向けられた言葉でした。


一方『女の一生』では、相手の許しを乞い、『元の生活に戻りたい願望』を持つ者に向けられた言葉です。


周囲の人間はジャンヌ(主人公)に対して、『罪を許せ』だの『倫理に背くな』だのと"正しさ"を振りかざすばかりで、『彼女の優しさ』には目もくれません。


正しく生きている人間に対して、『正しさを要求する権利はない』かと思います。
愛する人ほど裏切り去っていく。
不運な時ほど、何かに希望を持っていたい。
純粋すぎる主人公に苛立ち哀しみ、なかなか体力がいりました。

通常よりもあえて狭くしたというスクリーンと
次第に暗くなっていくドレスの色が、主人公の心をより濃く感じさせます。

最後の一言は救いと思いたいけれど、ここまでくるとこれもまた嘘なのではと、素直に受け入れられない自分がいます。
大人の女性なら、どこかに少しは通り過ぎた経験が見つかると思います。
RYO

RYOの感想・評価

3.9
この映画、間違いなく年齢を重ねた女ならとりあえず大丈夫。結婚・夫・家・親族・社会・子ども・地域・介護、どんな女性もどっかで絶対カスってる。信じていた身近な他者からもたらせれる苦悩。信じてたからこそ辛い、でも何回でも信じたい自分。 国も時代も違うのにこの「あるある」感いったい何?古今東西、女の一生(直訳「ある人生」)って、濃くて深くて重いのか。自分の身体から産まれた子を抱く至福の喜びや、幼児と母親のみに与えられる究極の相思相愛との引き換えか。

主人公がとっても美しい。デコルテから輪郭の完璧フォルムが本当に文学的。始まり方や終わり方含め、説明的な要素を全て排除して、文学作品をそのまま映像にした情景はとっても素敵。ベクトルはいつでも主人公の内側向き。もっと引いて 壮大に見せてほしいすばらしい自然の景色が随所にあるのに、絶対にそう見せず、主人公中心でみせるとこ、こだわりを感じたな。
shiron

shironの感想・評価

5.0
一人称映画 ある女の愛の遍歴

電気の無い時代の物語なので、夜は暗いです。
基本、灯りはロウソクか暖炉の炎。
寝室のシーンでは、オレンジ色の光に照らされた主人公の鼻の形から「ああ、こっち向きに寝ているのね。」と推測して見ていました。
夜中に外に飛び出すシーンは、真っ暗な画面に声だけしか聞こえず…。
こんな演出なのか?
それともスクリーンの端から光がもれているせいなのか?
はたまた非常灯が明るすぎるせいなのか?(^◇^;)

なので、ハッキリ見えた方とは映画の印象が違うかもしれませんが、レビューさせていただきます。

トークショーで「昔の女性は自分の人生を選択できなかったが、現代の女性も人生を選択できると思わされているだけ。」と仰っていたのが印象的でしたが、
どちらかと言うと私は、愛されるより愛したい女が、限られた世界の中で裏切られ続けながらも、愛する対象を求めていく“愛の遍歴”映画だと感じました。

もしかしたら、簡単なあらすじは知っておいて見た方が良いかもしれません。
ねっとり長回しのシーンがあるかと思うと、決定的な映像が無かったり、3つのショットだけで済ませたり(←コレお気に入り)
「すごく面白いけど、なぜ?」と思いながら見ていましたが…
ダメンズに振り回される度に回想シーンが挟まれるところから「これって、一人称の映画なんだ!」と気付きました。

彼女は、最悪な事態の時に、過去のお気に入りのシーンを脳内再生してプチトリップすることで、なんとか現実との折り合いをつけているようで…。
だから、彼女にとって思い出深い情景は長回しで、忘れ去りたい出来事はショットだけで済ませていたのか。
映画そのものが彼女主観で構成されているとは!

そう見ると、唐突に息子の存在がクローズアップされるのにも納得。

残念なことに、溢れる愛をただただジョウロで注ぎ続けたいだけの彼女は、息子を根腐れさせてしまうのですが…それもまた致し方なし。
愛のバランスって難しい。失敗から学ぶことの多さよ。

ラストシーンは次なる獲物にロックオンしていましたが、美しい花に育ってほしいものです。
ノルマンディーの荒々しい海と曇り空を背景にした場面や
ヒロイン ジャンヌが父の男爵と共にジョウロで水をやり畑を耕しながらドレスの裾が汚れる様子が印象に残る

達観したような、もの思いに耽るような
ジャンヌの横顔は
若い時の無邪気さと 幸福の輝きと 年老いてからの疑い深さと
様々な心情を反映する

物語の筋書きをたどるのではなく 場面ごとのジャンヌの心を覗き込むようなつくり
観る側も簡単ではない
ギイ・ド・モーパッサンの名作を「母の身終い」「ティエリー・トグルドーの憂欝」のステファヌ・ブリゼ監督が映画化した本作を観ていると、「人生いろいろ」という演歌を思い出してしまう。
原作小説は学生時代に読んでいて、邦洋画共に何度も映画化されているので、何作かは過去に鑑賞しているが、ステファヌ・ブリゼ監督の本作は現代にも通用するように“再構築”しているように感じられる。
「母の身終い」や「ティエリー・トグルドーの憂欝」の主人公は逆境にいて、その中で自分の信念を貫く姿が描かれていたが、本作のヒロイン・ジャンヌは、ある意味“究極”の逆境に追い込まれていく。
彼女の場合、現代女性と違って自分の意志で恋愛や結婚、そして職業においても選択肢がなく、両親を中心とした家族の意向で人生が定められてしまう。
ある意味、大海に浮かぶ小舟のように人生を翻弄されてしまう訳だが、それにしても様々な意味でジャンヌは男運が無い女性だと思う。
この“だめんず”によって親友と思っていた乳姉妹や伯爵夫人に裏切られ、頼みとする神父の助言は裏目に出て、夫との間に出来た嫡子を溺愛するも、後に彼女は愛息から手痛いダメージさえ与えられる。
だからといって彼女は何とかその状況を変えようと動く訳でもなく、どんなに酷い運命でも恰も神から与えられた試練と考えて生きていく。
そんな彼女を精神的に支えるのは、過去の美しく楽しい思い出の数々。
映画は逆境にいる彼女のシーンを暗い寒色で、思い出のシーンを明るい暖色で彩って強いコントラストを成していく。
この受け身の人生を送るジャンヌは傍から見ると弱い女性のように感じられるが、決してそうではないと思う。
身体が凍えるような逆境にあっても、彼女はそれに静かに耐えて自分が正しいと思ったことを貫こうとしている。
それは荒野のような所に凛と立つ彼女の姿によく表れていると思う。
そして訪れる何とも言えないラストのシークエンス。
そこで乳姉妹のロザリがジャンヌに掛ける言葉がいつまでも心に残る。
ゆりか

ゆりかの感想・評価

4.0
試写会にて鑑賞🎥

物語は静かに淡々と進むのに、内容はなかなか衝撃的でスキャンダラス⚠️⚠️⚠️
ドロドロした内容ははずなのに、ヨーロッパの美しい田園風景とフランス語のセリフで、全然そんな感じはなく、むしろカラッとした印象でした。
ただただファッションとインテリアがステキ✨✨
やっぱりフランス映画好きです😍💓💓
KR

KRの感想・評価

3.4
この作品を一番おすすめしたいのは、
モーパッサンが好きな方。
と、言えるぐらい、作風が反映されていて、
まさに読書をするように観ることのできる作品。

著者独特の、
急に牛刀でぶった切るような終わり方は、
この映画でも再現されていて、
モーパッサンファンの期待を
裏切らないものになっていると思う。
純文学やフランス映画が好きな方などに
向いていそうに思う。

明解なストーリーや、次々と起こる大事件、
驚きの結末、
などを勝手に期待して観てしまうと
つまらなく感じてしまうだろう。

とても大人の、ひたすら現実的な展開。
原作か、モーパッサンのほかの短篇でもいいので、
一つでも読んでおくと
映画は見やすくなると思う。

作中時々流れるデュファイらしき古楽(同じ2、3曲ぐらいを繰り返す)が、
まるで作品の名刺のように、
素朴で飾らない撥弦の旋律が
言葉に表しがたい人生の悲哀を、
ぴったり寄り添うように表現している。

ついもっと劇的な音楽を足したくなるが、
それをしなかった制作陣は、
この作品を高貴で静謐にし、
著者への敬意を表すことに成功している。

ケチャップやマヨネーズはなし、塩のみでどうぞ、
といった感じ。

当時を再現した衣装が美しいのだが、
ただひたすら綺麗なのではなく、
汚れたり古びたりしていくからの美しさを
見せてくれる。
冒頭、
ジャンヌのドレスが畑仕事でドロドロになる描写は、
彼女の行く末を投影するかのように
強調されている。

また、
ノルマンディの自然も四季を通じて美しく、
春の緑から冬の荒波まで、
まさに四季を繰り返す人生そのものを表すよう。

観終わった後余韻が残り、
考えさせられる作品。

人生を、全て素晴らしいとは言わず、
半々とも言わず、
もし9割は苦労だとしても
1ぐらいは良いこともあるでしょう?、
と訴える。

楽しいことばかりでなくとも、
ひとときでも輝く瞬間があったなら、
その人生には意味があると言えるのではないか。

常夏のような人生のひともあれば、
冬がいつまでも続く人生も、人それぞれ。

だが、
春は例え一瞬でも、誰にでも訪れるのでは、
と示してみせるような、
あの有名な最後の台詞で終わる。
ゴン吉

ゴン吉の感想・評価

4.0
典型的なフランス映画。
ヒロインの紆余曲折の一生を淡々と描き、ラストは真実か虚偽かわかりませんが、それに絡めて一言で纏めています。

作品は影と光を巧みに使った映像なので、映画館で鑑賞すると、きっと美しいと思います。
画面サイズもシネマスコープではなく、今時珍しいスタンダードサイズで、ヒロイン中心の構図になっています。

フランス映画が好きな方にはお勧めです。

日比谷図書文化館の試写会にて鑑賞。
リオ

リオの感想・評価

-
息子のことで主人公が主人公の父親と口論するシーンがあるんだけど、その中に日本語で「うるせー、うるせーパパ!」
としか聞こえない台詞があって全然笑うシーンじゃないのに笑ってしまった。
空耳アワーみが強すぎた。

本編の感想としては、ただただつらい。夫と息子が永遠にクズで、蛙の子は蛙とか三つ子の魂百までっていうことわざが思い浮かびました。