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あみこのDONのレビュー・感想・評価

あみこ(2017年製作の映画)
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「大衆文化」を嫌悪し侮蔑しながらマックでジャンクフードを食べるあみこは、自らもまた骨の髄まで大衆文化に侵食されていることを知っている。だからこそ、変わらぬ校庭の風景を見つめながら、あみこは感情をリセットするように倒れ、湯船で温めた身体に貪り食べたレモンの突き刺すような果汁を流し込み、あざ笑うその声は泣き声へと変わってしまうのだ。

ピュアであるとは、ひとつの気持ちや感情をキープすることではない。世界と、自分と塗れ、ドロドロになって格闘することだ。その苦しさを鉈でぶった斬るように断ち切り、観客の感情移入を拒むように先へと進む、性急で醒めた編集のリズム。素晴らしい。
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