りっく

あみこのりっくのレビュー・感想・評価

あみこ(2017年製作の映画)
3.7
恋は甘酸っぱいと言うが、本当に酸っぱいっつうのはこういう事なんだよ!と言わんばかりに大量のレモンを包丁でぶつ切りにし、風呂に浸かりながら次々と頬張る、あるいはスパゲティを吸い込んでいくあみこの食いっぷりにまず圧倒される。

ピュアだからこそ、心に任せるがままにパッションで一直線に行動する彼女はモンスター的に描くことも可能である。だが、映画初監督にしてこの一癖も二癖もあるインパクト大のヒロインを地に足がついたキャラクターとして成立させた手腕が光る。

部活の先輩である大学生のヒモとなっている彼のもとへ、一途な思いだけで長野から大衆文化にまみれた首都東京に上陸し追っかける様は滑稽でもあり物語の推進力を損なわない。音楽の使い方や絵繋ぎなど奇をてらいすぎず、かといって無個性なわけでもなく、大学生の初監督とは思えない才能である。
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