2022年 192本目
藤井道人監督で調べていたら山田孝之がプロデュース、脚本で興味めちゃくちゃ沸いたので鑑賞。
心が震えた映画。
観終わってからどことなくやりきれない思いがずっとグルグルしている。
誰も救われないし、誰も幸せにならない。でも何故がすごいリアル。
「善と悪はどこからくるのか?そして今私はどちらにいるのか…。」
昼と夜、光と闇、正義と悪、罪と罰、真実と嘘、そして善と悪。
全てが表裏一体であり、明確な境界線は無い。立ち位置によって変わるものだろう。
善悪は数の論理、、、。
そうであっては欲しくないがきっとそれは事実なのだろう。
藤井道人監督らしさというか、上手く説明出来ないけど、光と闇の色彩の感覚とか、光のぼやけた感じがとても美しくて好き。
比喩的な映し方だと思うけど、昼間に施設で子供たちと遊んで追いかけっこをしているシーンが夜には世直しとして追いかけるシーンと重なり、野菜の皮を剥く描写とお札を数える描写が重なり、子供達が踊るシーンとショウパブでのダンサー達が重なり、昼と夜の見え方の違いがとても印象的。
それぞれ俳優が全てみんな良かった。
阿部進之介、映画初主演なのね。
存在感もあって元々好きな俳優さんだが今回やはり強い。
田中哲司、藤井監督作品では常連感あるが絶大な信頼があるのだろう。圧巻。
そしてなんといっても清原果耶。
3年前でもうこんな演技上手いのか。
引き込まれた。心の奥に悲しみを抱えていてもそれを上手く出せない18歳を絶妙に表現していた。
「正しいってなに?」
北村は自殺なのか、事故なのか、奈々が殺してしまったのか。真相は語られない。
どう取るかによってエンディングの印象が変わるのかな。
自殺なのかなと、思っている。僕は。
エンディング曲、役名の大野奈々名義で清原果耶が歌っているんだけどなんかすーっと入ってくる曲。
いい曲だなーと思ったら野田洋次郎プロデュースなのね。納得。
「嘘だよ!ロリコン!」