くぅー

デイアンドナイトのくぅーのレビュー・感想・評価

デイアンドナイト(2019年製作の映画)
4.2
my映画館2019#40> 久しぶりにヒリヒリとしたドラマを存分に堪能した気がする・・・初期の青山真治監督を彷彿させる様な本作は、劇中でも語られるが、善と悪、そして、自分の正義をテーマとし、明確な答えが出せない世界を凝視することとなる。

田舎町で正義を貫こうとした父親だが、地元の有力者の力に屈して自殺に追い込まれ、葬儀のために戻って来た息子がその無念を晴らそうとする展開だが、やはり一筋縄では行かない設定になっている。

善を維持するための悪が印象的で、表と裏の顔を持つ人間、そして、タイトルから来る光と闇・・・二面性が強調され、正しさと善が必ずしも一致しないという矛盾を考えさせられるのだが、人間は矛盾する生き物って言葉に思いを馳せてしまう。

それにしても、藤井道人監督・・・これだけの深い作品を、画的にきっちり惹き付けるセンスを随所に魅せ、その力量に拍手。

そして、今回、裏方に回った山田孝之のこだわりも凄かったんだろうなぁと。

そんなキャスティングも圧巻で、まずは阿部進之介・・・初主演で、正に本領発揮の堂々の熱演を披露。
安藤政信も持ち味を生かした助演ぶりで・・・田中哲司も流石の嫌らしい演技を見せる。
紅一点的な清原果耶・・・この面々の中でしっかりと輝きを放つ凄さ。
さらには、小西真奈美に佐津川愛美に、室井滋に渡辺裕之に、深水元基に渕上泰史に山中崇らの芸達者だらけの面々にはニヤリしっ放しだった。

最後に、特に風車が印象に残る本作のロケ地は秋田市とその界隈で、隣県に住む者としては羨ましくてしょうがなかった。
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