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デイアンドナイトのTMDiaryのレビュー・感想・評価

デイアンドナイト(2019年製作の映画)
4.0
①役者
安藤政信。善と悪の違いに戸惑う阿部進之介演じる明石は普通だが、すでに自分の中で振り切ってしまっている北村の姿は異常で怖い。
②演出
昼と夜のコントラストで善と悪を表現。子どもと悪者。玉ねぎとお金。お遊戯とダンサー。昼と夜も追いかけっこ。タイトルがデイアンドナイトだということにふと気づく。
③総合
何が善で何が悪かを問うているが答えは出していない。犯罪をするのは悪だが、やらないといけないときはあるのかもしれない。自分の流儀を貫くことは正しいが、それで多くの人に迷惑をかけるのは正しくないのかもしれない。大切な個人を守るのは正しいが、大勢の人を守るために少数を犠牲にするのも間違っているとは言えないのかもしれない。
置かれている人それぞれの状況によって善と悪は異なる。みんなで同じ立場にいるわけではないのだから共通の答えなど出るわけがない。経済を回復させるためにGoToキャンペーンをやったら地方で感染者が増えた。何が悪だろうか。
奈々の描く絵の空の色は事実を知って青になった。現実を見据えたのだ。けれどその現実では、大切なものを守った者は法に裁かれ、またある者は死んでしまった。それでも正義とは大切なものを守ることだというのだろうか。答えはないまま、バスは現実へと進んでゆく。
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