デイアンドナイトの作品情報・感想・評価

上映館(1館)

「デイアンドナイト」に投稿された感想・評価

Mika

Mikaの感想・評価

4.8
鑑賞直後の今、何をどう書こうかわからない程に、混乱させられる結末だった。すごい。感情が揺さぶられた。
主演、企画、原案の阿部進之介という人を今作で初めて知り、その才能に驚きと感激を覚えた。
山田孝之が自分の影響力が役立つといってプロデュース側に加わったそうだが、いや本当にありがたい。そうでなければ観ていなかった可能性がある。
また、この混沌とした内容を、素晴らしい演出でまとめあげた監督の力量もすごい。一切飽きずあっという間の2時間だった。昼と夜、善と悪、、の対比が作中に出てくるあのシーンはわかりやすくて好きだった。皮肉めいていて、でも事実。
原作のないオリジナル映画(ファンタビもそうらしいが)の何がいいかというと、文字に起こした際に避けられないわざとらしさがないこと。脚本の段階で台詞合わせをしながら調整していたというので、人の会話ややり取りがとても現実的。

でも、どこか非現実性を感じさせられてしまう致命的な点がいくつかあった。
まず、明石と北村が昼夜動いているが睡眠時間は...?というのと、明石のあのペースで大勢分の食事作れなさそう...とか、些細ながらも現実感に水を差す要素が。

でもでもそれを差し置いても、圧巻の内容だった。
最後は消化に時間をかけながら、エンドロールの澄み渡った歌声に聞き入ってしまう。

内容について。
家族と距離を置いていた、どちらかといえばドライな長男が父の訃報に帰省する。
この時点で鑑賞者の私たちと同じスタートラインの彼は、何が起きたのかを知ろうとする。100%共感。
しかしそこから彼は外的要因に絡め取られていく。ぶっ飛んでるけど、違和感は感じない。夜の狂気的なシーンはかっこよくもあった。
そして奈々という少女のあれこれ。素晴らしい女優です清原さん。

多面的な善と悪、折り合いの付け方、それらに向き合うことは難しいが不可能じゃない。きちんと考えるべきことがある。
恐怖を煽るような効果音、明るさを感じない画面、終始漂っている陰鬱な空気感。きっと賛否が分かれる作品なんだろうなと思うが、私は素晴らしい作品だと思った。
何が正しくて何が正しくないのか、正義じゃないものは完全な悪なのか、正義の定義って何。それをずっと観る者に問いかけていた気がする。それを問いかけていたのは、清原果耶演じる奈々。大好きなアーティストのMVに出ていて、あまりの瑞々しい表情に魅せられて、以来作品を観続けている大好き女優さん。セリフ自体は多くないが、静かな場面で静かに語る彼女のセリフは作品のテーマに繋がるものばかりだった。

体調を崩し行こうと思った時に観に行けずガッカリしていたら、まだやっていて滑り込みセーフ‼️って感じで観ることが叶って。観れて良かった。
ntma

ntmaの感想・評価

4.1
山田孝之プロディース作品。阿部進之介と安藤政信、伊藤Pのトーク付き上映。
「善と悪はどこからやってくるのか」
その問いが、上映中ずっと頭を巡る。常に自分の感覚を試されている感じ。
善と悪は法律では決められないし、正しさの反対が悪だとは言い切れない。
誰かの幸せは誰かにとっての不幸で、誰かを守ろうとした結果誰かを傷つけることもある。そもそもひとは「光」と「影」の両面もっていて、もはや完全なる善人、完全なる悪人と線引きするのは不可能なのかも。
それでも、自分以外の誰かを守るために掲げたものが「正義」で、最後までその答えを全うすることが「正しさ」で在るべきだと思った。「風車の羽」であることを要求される社会の中で、履き違えた正義を正しさだと勘違いしないように。
やっっと見れた。。

物語を動かすように回っていた風車が、
止まったり、1つを除いて動いていたり
シーンごとに象徴的に映されていた。

人間本当に守りたいのは
自分の中の正義なのかな


2019年ー78本目
2019年92本目
c.

c.の感想・評価

4.5
トークショー付き৺̎⃝
ムビ

ムビの感想・評価

4.0
善と悪とは?正しい事とは?正義とは?それらが何であるかを考えさせられ突きつけられた映画だった。物事は多面性があるから、私にとっての正義は、誰かにとっては正義じゃないかもしれない。間違っていても賛同が多い方が正しいとされるなら、そうじゃない方はどこにどうしたら良いのだろう。自分の信念を貫き通せば何でも良いのだろうか。大切な人達を守れるようにするにはどの選択が正しいのか分からなくなるけど、それでも止まる事は出来ないし、生きていかないといけない。
かわ

かわの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

トークイベント付き再上映で初鑑賞。とてもいい機会でした!

一般的に悪と言われる人や行動を情報として一方的に与えられたら、私達はその奥を想像するだろうか?その奥にあるドラマを世界を見てほしい、想像力を働かせてほしい、そんな思いを持って作ったという話を聞いてそれは十分すぎるくらい伝わる作品だったと感じた。ほんの一瞬だけど明石が逮捕されたニュース映像はまさにそうだった。

田舎の小さな小さなネットワークの中の力関係や、それによって握り潰される事実。誰かの正義が誰かの生活を壊すかもしれないけれど、こればかりはやるせない気持ちになった。このテーマは色々な作品で見るけれどいつ見たって何が正しかったのか考えてしまう。

車の窃盗団が車を盗む事は、ただの悪ではないのだろうか?いや、もしかしてあえてその車だったのか?理由があったのかな?ここでこの余白を想像してみる。
ビザのない外国人を働かせることが善で法律が悪か?でも法律がなかったら?

「明石にとって正しいことって?」「大切な人を守ること」「守れた?」
私にとっての正しいこともその奥のことも相手のことも考えさせてくれて想像させてくれる作品だった。
さくら

さくらの感想・評価

4.6
だれかにとってのしあわせは、だれかにとっての不幸であり、だれかにとっての正解は、だれかにとっての間違いであり、だれかにとっての正義は、だれかにとっての悪である、みんなどこかでだれかを犠牲にしてその誰かの上に自分が生きている、立っていることを知っている でもそれを「しない」という選択はできなくて、じゃあいつ、いつならみんなまるっとしあわせになれるんだろうか、と考えてしまった いっせーのーで!でしあわせになれる世の中なんて絶対にならない だいたいの人が歯がゆい思いで唇を噛む それでも それでも なんで生きてるんだろうね どこにも正解なんてないのに なんでそれでも生きようと思ってしまうんだろうね
善と悪のつながりは具体的な一対一対応ではなく、二つの間の往復を繰り返すことで複雑に絡み合っていく。風で風車が回るように、私たちもいろんな流れの中で自らの行動を選択する。それはある時は善かもしれないが、私たちと同じように回り続ける相手の羽は別の時には悪の香りを運んでしまうのかもしれない。

雪のシーンのななが印象的。芯、感情の強さを前面にながら、年相応の幼さがにじみ出ていた。

どの絵も綺麗だが、もう少し自然な感じでもいい気がした。日の光が綺麗に写っている昼の時間に対して、夜の暗闇をそのまま出す方が、善と悪の二項対立では収まりきらない二つの関係をリアルなものとして描けるのではないだろうか。
>|