衝撃的な作品。嘘と罪悪感が友情を引き裂き、狂気が襲う。邦題は『ぼくらと、ぼくらの闇』だが、実際に人を殺してしまうのと、周りで見ているだけでは、抱え込む闇など比べ物にならないほど違うはずだし、善良な少年が友達を殺してしまって、死体を隠して罪も償えなければ、そりゃSuper Dark Timeがやってきてもおかしくない。
この映画は最初から最後までずっと冷たい霧が広がっているような映画だった。いい意味で全くドラマチックさのない映画であり、ラストの薄暗さとスッキリしなさは映画史上屈指のものだと思う。
途中で一瞬裸のカットを映り込ませるという『ファイト・クラブ』や『仮面/ペルソナ』を意識したようなカットも非常に面白かった。
世界観に引き込まれるまでの遅さは少し問題だが、超良作である事は間違いない。