ねこみみ

スターリンの葬送狂騒曲のねこみみのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
3.2
スターリンについては正直知識がゼロだった…。
こういう映画きっかけで歴史を知ることができる。映画は、私にとって何よりも世界を知る媒体になっている。

スターリン政権下のソ連。
くそじじいどもの権力争いを面白おかしく描いていて、そんなに緊迫する場面があるわけでもなく、さらっと観れる。

なぜ、ヒトラーやスターリンや金正日のような人間のゴミのような生き物が、社会の頂点に立つということが繰り返されるのか?
全員で歯向かえばただの人のはずなのに、恐怖で支配された民衆と、甘い汁を吸った側近たちがいる状態が出来上がってしまうと、脱却することができなくなる。

リストに載ると殺される。
リストに載る基準は?
気に入らない。邪魔。それだけ。
オーケストラの演奏を録音していなかった。それだけで死が身近に迫る。

この映画は笑いながら軽く観ることもできるし、きちんと史実を知って背景を理解するきっかけとして観ることもできる。

ベリヤついて調べた。
恐ろしい変態サイコパスだった。
それが映画の中であんなかんじで描かれているのはそれはそれで恐ろしい…。(もちろん変態性に多少触れられてはいるものの、事実は想像を遥かに超える)

ピアニストもっと重要な場面に関わってくるのかと思いきやそうでもないし、全体的に構成や展開にもこれといった面白味はなく、映画としての魅力はとくになかったと言わざるをえない。
ただ、扱っている題材と、その重さをコミカルに描いたことでとっつきやすくなっているので、そういう意味で良い作品だと思う。
特に人に勧めることはないかな。悪くないです。くどくなくて見やすいのは確か。
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