コマミー

スターリンの葬送狂騒曲のコマミーのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
4.0
[死のそばで]

久々に新宿武蔵野館に行きたくなり、観たいものを探していたら、この作品にたどり着いた。思えば、去年も武蔵野館でこんな映画を観たかもしれない。
監督はというと、[アーマンド・イヌアッチ]という人物。初めて聞く名だが、この監督の前作は、アカデミー賞の脚本賞にノミネートしており、興味が出てきた。

簡単に言えば、"スターリンが死んだあと、彼の葬式の裏側で何が起こってか"という事を描いている。そう言えば知らない。後継の事も。
作品を観てみたら、もうスターリンの側近やら、友達やら、皆あまりまともじゃない。死んだら死んだで、みーんなアタフタ。やはり国を統べる者が、突然死ぬと、みーんな慌て、泣きじゃくるものだ。だが、一方で、クーデターを企てる者もいるし、スターリンの家族に馬鹿がいるし。もう、裏側はハチャメチャでした。

ざっと、現状報告はこれぐらいにして、映画の感想を。なかなかブッ飛んでた。
映画を観てる度に、こんな事が、本当に起きていたと思うと、なかなか黒い。三谷監督の「清洲会議」を思わせる人が多いと思う。
だが、この作品はなかなか[理不尽な方向]へと、登場人物のある人物と、観客を引っ張ってゆく。そして箇所箇所で、観客を笑わせる場面もある。劇中で様々な[ボケ]や[想定外さ]がでてきており、観客を笑わせる。自分も、恐れながら笑わせて頂きました…。

ロシアで上映中止されたのも、うなずける。これはおそらく、[スターリンがしでかした代償]なのではないだろうか。

そして、この作品じたい、スターリンの[海外の目線の風刺映画]であり、ロシアからしたら、とんでもない黒歴史なのだと…。

ひょっとしたら、この中にスターリンの死に対する大事なキーワードが隠されるのだと…。

あー!笑えたけど、モヤモヤする!
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