キッチー

スターリンの葬送狂騒曲のキッチーのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
3.6
独裁者スターリンが脳卒中で急逝し、残された取り巻き(高官)による壮絶な椅子取りゲームが始まる。
ぬかりなく動いたけど足元を救われる人、後継者に祭り上げられたけど孤立無援になる人、転んでもただでは起きない人、色々な思惑が入り乱れて、話は展開していきます。

スターリンのおしっこネタとか、背広が汚れるなんて小さなことに執着したりとか、全員一致が原則の委員会で反対なのに過半数超えるとしぶしぶ挙手するところとか、ところどころ笑えたけど、それも前半まで...
後半は怖い展開になっていきます。

粛清という名の元に、人が無造作に射殺される。恐ろしいです。
人が歴史の表舞台から簡単に消えていく、否、存在していた形跡すら無くされてしまう...
エンディングの写真のシーンは厳粛な感じだけど、なんとも言えない怖さがありました。

こういう映画観ると、つくづく歴史って勝者のものなんだなと思いますね。濡れ衣、捏造なんかも当たり前と思うと真摯に向き合うのもバカらしくなる...
そんなことを考えてしまいました。

それでも、スターリン、フルシチョフ、ラブレンチー・ベリヤ、ゲオルギー・マレンコフ...erc
ソ連の歴史は詳しくないけど、観た後で、登場人物のこと知りたくなりました。

ジャンルはブラックコメディということらしいけど、どこまでが真実なんでしょう。それすらも判らないので...(笑)
映画としては面白かったのですが、知識不足でした。

ロシアでは上演禁止になった映画。
キッチー

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