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静かなふたりのaaaakikoのレビュー・感想・評価

静かなふたり(2017年製作の映画)
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パリの古書店を舞台にした作品ということで、すっごく見たかった作品でした!
めちゃくちゃ楽しみにしてたんです。

最初は良かったです。
パリの古本屋さんはやはり素敵でした。
乱雑に並べられた本の、文字が読めなくたって、その空気を吸うだけでいいから行きたいなと思いました。
わたし古本大好きなんですけど、この感覚、古本好き、本好きな人ならきっとわかってくれるはず。
しかも店名が「緑の麦畑」…ああ、なんておしゃれなんだろう…。

店員募集のポスターを見て古書店に出かけていく主人公。
そこで、偏屈な主人と出会うのですが、2人の初めてのドライブは一言も喋らず…それがまた良い!静かな二人の邦題がきいてくる…すばらしい…。
あとはもう、にゃんこが可愛すぎる!
ものすごい可愛さで内容に集中できないほどでしたよ。


良いのはそこまででした、正直。
これ、別に古書店じゃなくても良いお話だったと思いますけど。
文学的な会話はあったけど…そういえば本をバサッと床に落とした後汚れをはらいもせず棚に戻したり、本の入った段ボール箱の上に腰をかけたり…というのが気になりました。本当に本を大切にするならそういうことはしないでしょう?

そして「反放射能デモ」でフクシマ産のジャガイモを「放射能入りだけどどう?」と言って笑いながら手渡してくるパフォーマンス?をする人。
時期的に東日本大震災の直後なのかもしれませんがこのシーンは不快でした。
こういうことを言うと、日本も悪いとかそう言われてもしかたないとか言う人いますけど、つまりはデリカシー等の問題ではないですか?
例えば日本でチェルノブイリ事故のあと反原発デモをするとして、チェルノブイリ産と書いたおイモを「放射能入り」と書いて笑っている人がいたら、そしてそれが映画のワンシーンになったとしたらわたしは軽蔑します。

日本の原発事故の後、原発に依存しているフランスでは危機意識が高まったそうですから、それを描いていて、日本がどうこうっていうより思想のことを描いているってことはわかりますけどね…。
字幕では「反核デモ」になってましたがそっちですか?
20年ぐらい前まで核実験をやっていて世界中から批判されたこともありましたしね。

と、いうわけでスコアなしです。
作品と違うところで文句言ってしまって…。
作品の雰囲気はとても好きだっただけにモヤモヤしました。

あとは、猫さんは最初から最後まで本当に素晴らしかったです。最高でした。
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