emily

静かなふたりのemilyのレビュー・感想・評価

静かなふたり(2017年製作の映画)
3.5
 田舎からパリへ越してきた27歳のマヴィ。古書店でバイトを始めるが、店主ジョルシュは何かから身を隠すように生活をしており、客を一切受け付けない。二人は時間をすごし、心を通わし次第に惹かれあう。しかしジョルジュには隠してきた過去があり・・

 パリの街並み、カフェ、古書店。セーヌ川のほとり。孤独を描写するように意味深な絵画を交差し、カモメが落下してきて死体となった静止画が挿入される。田舎から出てきた女性と、過去から逃げるように暮らす男。互いの孤独は言葉や体のふれあいではなく、心の通いとマヴィの物語の中で触れ合っていく。日々のルーティンをパリの美しい景色の中で描写し、そこにマヴィの描く物語と、社会問題が新聞の一コマや二人の語りから交差する。どこかおとぎ話のような二人の物語に現実と物語が深みを与え、人との出会いにより少しずつ人は成長し、大切な物を見極めていく過程をゆっくりと目で追い感じていく。

 映画館で男との出会い。古い映画、灯りの演出などエスプリが効いてて軽快でソフトタッチな演出。一つの恋の終わりが新しい恋を運んでくる。いろんな色をパリを見ながら、日々の変化をゆっくりと味わう。ゆっくりと時は流れ、ゆっくりとひとは変化を遂げる。すべては良い方向へ向かっていく・・