フランコ

馬を放つのフランコのレビュー・感想・評価

馬を放つ(2017年製作の映画)
3.5
雄大なキルギスの自然美は目にやさしく、贅沢なロングショットや長回しが優美。主人公(監督)と露店の女が夕方に仲良く小道を歩いていると、女の愛人らしき人物(顔は映らないので正体はここでは明かされない)が馬に乗って現れ、怒り散らし、主人公と女を引き裂き、2人が逆方向に歩く中、画面の奥で馬が立てた砂埃の中で朧げながら女は振り向き、主人公と確かに目を合わせる、ってロングショットのワンカットが神々しかった。

「失われて行く伝統的な価値観」って普遍的なテーマの中、主人公を始め色んな人が説教じみたこと言ってるがあまりピンとこなかった。主人公が元映写技師って映画愛もあたたかい。礼拝堂でニヤケながらいたずらで上映してた、林の中を馬で駆けてる人が映ってた映画、なんとなくパラジャーノフの『火の馬』のようなタッチだったので気になる。キルギス映画の代表作とされる『赤いりんご』?あと奥さん美人!「お願い」の手話がかわいい。

2018/3/24 岩波ホール
フランコ

フランコ