むっちゃ面白い！ソーキン先生、さすがです！
トップアスリートから、著名人が集うポーカールームのカリスマ経営者へ転身。
そして突然の逮捕と裁判。
ジェシカ・チャステイン演じるタイトルロールがすごく魅力的。
この人、とにかく打たれ強く不屈。
ソーキンは、主人公がアスリート生命を絶たれた事故を起点に、現在と過去を交錯させ人物像に迫ってゆく。
法律家志望だった彼女は、なぜ正反対の道に進み、逮捕されたのか。
彼女を逮捕したFBIの本当の狙い、次第に明らかになる厳格な父との確執と、巨額の金が飛び交うギャンブルの世界に身を置いたわけ。
そして裁判で不利になったとしても、彼女が絶対に守ろうとしたものとは。
コツコツ作った財産を一瞬で失い、理不尽な現実に翻弄される主人公を見ていると、だんだん感情移入して応援したくなって来る。
それは少しの罪を犯したとしても、基本的に彼女が信念を持つ善意の人だから。
これは「ソーシャルネットワーク」「マネーボール」の系譜に連なる、アーロン・ソーキンらしい何かを成し遂げて何かを失った傑物を描く、どこか切ない骨太のドラマ。
名脚本家の、見事な監督デビュー作だ。
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