レク

モリーズ・ゲームのレクのレビュー・感想・評価

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)
4.5
何度も立ち上がるタフな女性の半生を過去と現在を織り交ぜながら、まるでフリースタイルのようにトリックを挟みつつ一気に滑り降りる小気味良いテンポで纏めあげた秀作。
『るつぼ』と比喩されるようにモリー自身の倫理観を浮き彫りにしていく。

本作「モリーズ・ゲーム」はモリー・D・ブルームによる自叙伝。
モリーが合法カジノで成り上がった半生、そしてモリー逮捕後の法廷劇。
そこに至るまでの経緯(過去)と弁護士との人間ドラマ(現在)が描かれています。


主演ジェシカ・チャステインの魅力が最大限に詰まったもの。
彼女の魅力が詰まった映画「女神の見えざる手」。
本作と同様に強い女性像を描いた作品です。
「女神の見えざる手」と本作「モリーズ・ゲーム」との決定的な違いはジェシカ・チャステインの冒頭からの語り部ですね。
そのマシンガントークは思わず聞き入ってしまうほど。

本作は脚本家アーロン・ソーキンの初監督作ということで、台詞量が膨大です。
早口な語り部や会話、スキー、ポーカー、法律などの専門用語など翻訳泣かせw
ここについて行くために頭をリセットして挑んでいただきたい。


また、モリーズ・ゲームで実名は明かされていませんが、彼女主催の超高額ポーカールームにはレオナルド・ディカプリオ、ベン・アフレック、トビー・マグワイアら有名スターや映画監督、一流スポーツ選手やミュージシャンも顧客リストに並んでいたとのこと。
モリーの半生、錚々たる面子を虜にしたギャンブル運営、これが作り話でないことが凄い。

上映時間は140分。
しかし、圧倒的な台詞量とテンポの良さから全く長く感じることもなく終わりました。
ポーカーのルールくらいは分かっておいた方がいいかもしれませんが、メインはそこではないので問題ないありません。
予告編を観る限りでは、モリーという一人の女性に焦点を当て、人生の成功と転落を描いたエンタメ性の強い作品のように見えました。
見る人によっては巨額の富を得るサクセスストーリーのように映ったかもしれません。
勿論、本筋はそのようなストーリーですが思っていた以上に人間ドラマが挿入されていました。


何度も言いますが、ジェシカ・チャステインの魅力が詰まった映画ではあります。
この映画はモリーの自叙伝にも関わらず、描写足らずでモリーのプライベートを想像しにくいという短所があります。
欲を言えばもう少し孤独感や虚無感から心理描写を描いて欲しかったというのが本音でもあります。
しかし、そこを補って余るその他の登場人物の存在。
脇を固める役者陣がモリーという人物に深みや厚みを与えてくれてるんですよね。