Smoky

モリーズ・ゲームのSmokyのレビュー・感想・評価

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)
4.5
名作『ア・フュー・グッドメン』とTVドラマ『ザ・ホワイトハウス』でその存在を知り、その後も『ソーシャル・ネットワーク』『マネーボール』『スティブ・ジョブス』など、実在の成功者の素顔を浮き彫りにすることに長けた脚本家アーロン・ソーキンの監督デビュー作はやっぱり名作。

圧倒的な情報量の中で揺れ動く人間の微妙な心理変化、それを作り出すキャラクターの個性、すべての輪郭を明確にする優れた脚本。その中心で強い磁力を放つのは、実在するモリー・ブルームを演じるジェスカ・チャスティン。艶やかな魅力と、明晰な頭脳、ユーモアの中に秘められた女性しか持ち得ない嫋やかさに惹きつけられっぱなしの140分。

特に、いろいろな意味で強い影響を与えてきた父親を演じる名優ケビン・コスナーと彼女との「セラピー」のシーン(113分頃)はとても感動的。ハリウッド映画にありがちな、余計な台詞や、扇情的なアクションや演出もなく淡々とやり取りされる会話に、彼女の強さの秘密を見た気がする。
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