面白かった！
プライバシーについての話だったと思う。
それが明るみにすることで誰かの尊厳を傷つけるというのがどういうことか。
たとえ自分の身を守るためであっても。
そしてその正義が守られた話。
主人公の顧客を見つめる目が、観客の他人の人生を見つめる目になって、そのひとつひとつを断片的にでも知ることで、ただの有名人ゴシップのような漠然としたものではなくなり、それを保身のために売るということの意味を感じられるようになる、そういう感じがしました。
伝えたいことがはっきりしていたのでスピード感のあるテキスト多めの内容でもブレなく最後までスッキリと。
知らない世界を覗く楽しさもたくさん。
この家族故の頭の良さ、でもこの家族の問題の影響故にたどり着いた世界で、でも立ち直ることができるのもまたそのように育ててくれたこの家族がいたからで。
聡明な登場人物達だったからこそのたどり着いた物語とはいえ、親の不貞の影響についてこういう形で言及して父から子への謝罪や解決があるお話ってあんまりない気がするので貴重。
追記
映画の中では、不貞が主人公の動機を形作ったものとしてだけ言及されているけれど、実際は無意識下で自分が知って傷ついたことに対して、傷つきたくなかった、知りたくなかったという事が彼女のこだわる正義の動機になっているのではないかと感じさせてくれて、その落とし所が好きだなと思いました。
