Inagaquilala

アンロック/陰謀のコードのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

アンロック/陰謀のコード(2017年製作の映画)
3.4
スパイ物は気をつけて観なければいけない。とくに組織内部に裏切り者がいて、主人公が真犯人を追い詰める場合は、キャスティングなどに気を配ってはいけない。この作品は半ば第一線を退いた女性のCIA取調官が主人公。CIAの尋問のスペシャリストだった彼女は、ある事件をきっかけに、いまはロンドンでケースワーカーとしての日々を送っていた。しかし、彼女はあるテロ事件の容疑者を取り調べるために、組織から呼び戻される。しかし、そこには偽の捜査官を装った人間がいて、容疑者は殺されてしまう。CIA内部に裏切り者がいることに気づいた彼女だったが、今度は「犯人」として、アメリカとイギリスの両国の諜報機関から狙われることに。

物語は、よくある罪を着せられた現場の人間が、組織からの追っ手をかわしながら、内部の裏切りをつきとめるという話なのだが、他のスパイ物と異なる趣向は、主人公のCIA局員が女性であるという点だ。彼女の元上司や彼女の「協力者」となる謎の人物、そしてCIAの高官。誰が裏切り者かというのが、物語を引っ張る糸となる。女性のCIA局員を演じるのはノオミ・ラパス。共演はオーランド・ブルームにマイケル・ダグラス、そしてジョン・マルコビッチ。となると、裏切り者の「犯人」は、当然、共演のこの3人のなかの誰かというのは、長年、この手の作品を観てきた人間の薄智慧だ。

作品を観る前に、共演者のラインナップを観てしまったのが運のツキ。実は途中から、怪しい人間が目の前にちらつき、実際、そのような展開になってしまった。となると、サプライズなどはあまりなく、ああやっぱりこの人、という感じは強かった。ある金融界を舞台にした作品に出演以来、どうもいつもこの人には「悪の匂い」を感じてしまう。どんなに優しそうに振る舞ったとしても。ということで、今回はキャスティングから考える、犯人探しの実例。監督は「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」のマイケル・アプテッド、ロンドンを舞台にそこそこ楽しめる映像が結構あったな。
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