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ホーンテッドテンプル 顔のない男の記録のりのレビュー・感想・評価

2.6
ホラーの日米折衷。中盤までは4.0越えが確実だったのに後半がクソ。結末クソな映画は映画として終わっているが、仏像や寺などが好きなためこの点数に。考慮しなければ2.0以下だろう。

前半は「怪奇事件の記事」「民族誌」「寺」「仏像」「狐」「旅館」「僧侶」など、それ自体が怖さを喚起するものが出てくる。重々しい雰囲気を醸し出すような撮り方、恐怖を煽るような音楽が流され、怖さがさらに引き出される。舞台自体も俗世間から隔離されたような場所で、何かが起こるだろうと我々に予期させる。
中盤になり可視化された霊、狐人間みたいな、が出てきた。日米合作ということもあり、アメリカからの提案だろうと感じる。個人的には霊を見せない手法が好きだが、アメリカ的にはこちらがベストなのか?
問題は後半だ。物語が回想から始まってるのだから結末をしっかり付けないと訳が分からない。特に本作は「なぜ」「だれが」など具体的な情報が全く分からなく、腑に落ちない結末となっている。
・事件は何故引き起こされたのか
・誰が殺したのか
・女性はどうなったのか
・日本語ペラペラなやつと女との関係は
・具体的に何を研究しにいったのか

など、物語の軸、本質となる部分が明かされないため、不完全燃焼で終わってしまった。せっかく、中盤までは良い雰囲気だったのに残念だ。あああ残念だ。
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