horahuki

ホーンテッドテンプル 顔のない男の記録のhorahukiのレビュー・感想・評価

2.3
日本観光に来た外国人がお寺にお参りに行ったら、ついうっかり呪われちゃった系オカルトホラー。

こちらも未体験ゾーンで公開されたホラー映画。海外映画だけど、栃木ロケという変わった作品です。日本人俳優も出ますよ♫

あらすじ…
寺の写真を撮るために、主人公は彼氏と幼馴染(男)の3人で日本に観光にやってきた。寺の写真を撮りたくて古本屋で参考になりそうな本を漁ってたら、古臭い本に寺の絵が書かれていた。その寺をどうしても撮りたくなった主人公たちは、色んな人に「やめといた方が良い」と言われたけど行ってみることにして…。

Jホラーの魅力を頑張って演出しようと思ったんでしょうけど、残念ながら全然表現できてないポンコツホラー。Jホラーの皮を被った良くある海外ホラーって感じでした。

佇まいが古臭くて、いかにも何かありそうな古書店とか、老人ばかりの村とか民宿とか、他所者に愛想が無い排他的な村人と、それとは逆に人懐っこい男の子とか。日本的な「何か出そう」な異空間へと誘われて行くような空間演出はそこそこあるし、目玉くり抜かれた少年とか、子供が大量に失踪したりといった過去の不吉な出来事で今後の展開を期待させるムードの醸成はあったのですが、そういう邦画ホラーの上辺だけをなぞってるだけで、その背後にある根っこを描けていないから、ゾッとするような恐怖には繋がっていかない。

それと登場人物たちが悪い意味でドライな上にアホなせいでイマイチ伝わってこないってのもあると思うんですよね。邦画的恐怖演出は日本人だからこそ響く部分が多いと思います。日本特有の文化や土壌を利用することで、恐怖を感じさせるわけなので。だから、恐怖を感じる役が外国人というところが恐怖の伝達の邪魔をする。醸成された恐怖感が、恐怖対象と観客の間に外国人を挟むことで、途中で途切れてしまい観客までうまく伝わってこない。

そして、せっかくばら撒いた不気味なピースもそれぞれが相互に結びつかないまま。結びつけることで一歩進んだ恐怖感を与えることができるはずなのに。Jホラー特有の意味不明なクライマックスを演出したかったのかもしれませんが、履き違えてるように思います。

あとどうでも良いことですが、そもそも女1人とその彼氏、そして幼馴染の男の3人で良く海外旅行なんてできたよね。案の定、彼氏と幼馴染ギクシャクしてるし。本作では、幼馴染が日本語できるという一応の言い訳は用意してるけど、それでも…ねぇ。彼氏と幼馴染は今回が初対面なんだから、絶対揉めるでしょうよ。
horahuki

horahuki