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海を駆けるのまのレビュー・感想・評価

海を駆ける(2018年製作の映画)
5.0
深田晃司監督は淵に立つを見て初めて知った。淵に立つを見たときの衝撃は今も忘れられない。頭をハンマーで叩きつけられたような感覚に陥った。あれは衝撃的な出会いでした。

あれから2年弱経って今作を見た。淵に立つとはテイストは違う作品だけどやっぱり深田監督の作品は一味違うなと思わされた。冒頭の海のシーンを見てうわっ!凄くキレイだなぁと思いこの時点でもう名作の予感がしてました。結構割と思ったよりファンタジックでフィクション色が強めだった。たまーに唐突なSFとか入れてくる作品があるけどそういうのは大抵萎えてしまっていたのだけど今作のは不思議と全然気にならなくて、むしろなんか逆に自然過ぎた。ちょくちょくラウが出てきては色んな不可思議現象を起こしては飄々と笑みを浮かべながらもそこに佇んでいる姿が魅力的。ディーンさんは本当ハマり役だなぁと思った。

キャスティングは本当今回文句無しです。冒頭のインタビューシーンの太賀のインドネシア語の流暢さには驚かされました。本当現地の人並みに話してました。髪型も凄くこだわってるなぁと思う。ちょっとした仕草とかも見所です。大好きな役者です。

先日、白石和彌監督の孤狼の血を見ましたが一際目立っていた女優さんがいてどうも気になった。阿部純子様。この女優は本当今後どんどん出てくるんだろうなと今から思っています。留学経験があるのか英語がペラペラで国際派女優だと思います。美人だし、とてもキュートです。今作でも健在です。

鶴田真由は声が好き。若手2人と謎の男を見守る海なる存在だと思います。鶴田真由も流暢なインドネシア語を本作で話しています。

上でも言いましたがラウ役はディーンさんで本当良かったなぁと本当思います。朝ドラから出てきて今に至っていますが未だにこの人は謎が多いなぁと。ミステリアスな人間なので謎の男ラウはハマり役です。狙ったのかな。飄々と笑みを浮かべている姿がとても印象的です。

ラウ=自然
なのかなぁと読んでます。突然海からやってきて突然海に去っていく。突然姿を消したと思えば突然現れる。癒しを与えると思えば死をももたらす。正に人間が到底太刀打ちできない存在、自然。そう読んでますが…真相は藪の中。




まだ上半期も経ってないですが今作が現状今年見た映画では一番です。これは大傑作です。必見です。インドネシアの街並み、綺麗な海、そこに出てくる登場人物たち、そして謎の男がもたらす様々な現象…

是非劇場へ。
ま