藍住

海を駆けるの藍住のネタバレレビュー・内容・結末

海を駆ける(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

淡々と映し出されるインドネシアの人々の生活と、海からやってきた異質な男、ラウの対比が凄く好きだった。
日常生活に溶け込む異質な存在。

ラウの正体なんて結局分からない。
「なんで?どうして?」の疑問に、この映画は一切の答えを出さない。
画面に映し出される全てのことに答えを出してしまう邦画が沢山ある中で、こういう邦画を作ってくれるのは、とても嬉しいと個人的には思う。

ラストシーンで、ラウに続く形で海を駆けるタカシとサチコ、クリス、イルマ。
そしてラウは海へと消えてゆく。
その一瞬のシーンの歪さと美しさはとんでもない変化をもたらした。
彼らの人生の中で、ラウと過ごした一瞬の出来事は、きっと何物にも代えられないのだろうな。

ラストシーンの意味を延々と考えている。
いつか答えが出たら良い。
藍住

藍住