おくぽん

海を駆けるのおくぽんのネタバレレビュー・内容・結末

海を駆ける(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ディーン・フジオカ目当てでした。
時々映るカメラ越しの映像、ラウのいる日常、普段の出来事、何気ない会話。
インドネシアのドキュメンタリーのようでした。
インドネシアの海や緑が美しかったです。

宗教の違いでも幼なじみと友達関係を築いているイルマ。
宗教によって態度を変えない姿が良かったです。

日本人で母親の貴子とインドネシア国籍の息子タカシの食事の仕方が対照的でした。
18歳でどちらの国籍にするかを選ぶという話のシーンがありましたが、貴子はスプーンを使い、タカシは手で食べるというのが、国籍の違いや生き方の違いを表しているように思いました。

映画を観終わった後、ラウはどうして命を取ったのだろうということをしばらく考えました。
ラウからはその意図が感じられなくて。
それは、ラウにとって命を取ることが悪ではなかったように思います。
旧約聖書ヨブ記(1.21)の「…主は与え、主は奪う。…」というのを思い出します。
いい人だろうと、悪い人だろうと、行いによってではなく、神さまによって命の期限が決められてる私たち。
それは命を取ることが悪ではなく、そのことによって命のことを学ぶためでもある気がしますが、聖書では、神さまに出会うためというのがあります。
その後のタカシ達の影響が気になりました。

また、ラウの不思議な力は、イエスさまの、み業とかぶるところがありました。
病気を治す、消える、空間を越える、海を駆けるなど。
新約聖書の福音書の色々な場面を思い出します。

ラウが現れてからの、周囲の戸惑いも、悪魔と言った現地の人も、きっとイエスさまが突然現れたら、こんな風になるのかもしれないなと思いました。

突然消える前のラウの最後の笑顔、子供のような笑顔で印象に残りました。
おくぽん

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