hi1oaki

殺人者の記憶法のhi1oakiのレビュー・感想・評価

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)
3.7
劇映画の画面の中で起こっていることは全て真実のフリをした虚構であって、私達は“一応これは今起こっている(いた)”こととして映画を観るのがいわばお約束なわけです。ならば、主人公の記憶が主人公自身にさえ信用できないのであれば、映画の中で起こっていることの真贋の境界線は無いに等しくなる。主人公の一人称視点で終わるこの物語は、最後のひと転がしも含めて結局“そういう話”と解釈していいのか戸惑う。そう思わされている時点で映画側の勝ちなんですけどね。
作風としては、ちょっとウェットで感情的に寄り過ぎているかなとは思います。謎解き…というか記憶のパズルに関してはもう少しソリッドに見せてほしかった。格闘長い。
それでもやはりハッとする記憶のトリックに驚かされる部分もある良作だとは思います。文句たれてる割には全然好きな作品です。
どうでもいいんだけど、ソル・ギョングの初老メイクはちょっと無理がある感じ。年齢設定が50代なのか60代なのかよくわからない。50代で若年性のアルツハイマーなのかな? それにしては老けメイクなんだよな。
それよりも、オ・ダルス(aka妖精)の見せ場が少ないのが不満です。もっと見たかった。
hi1oaki

hi1oaki