いずみたつや

殺人者の記憶法のいずみたつやのレビュー・感想・評価

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)
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"アルツハイマーの連続殺人犯"という設定は面白いんですが、このキャラが主人公として成立していないのが残念です。

この男は、ある人物のことを「コイツ若い頃なら即殺してたわ」とか平気で考える人である一方、優しい父親でもあるという複雑なキャラクターとなっています。

しかし、あんな短絡的なことを考えるような人なら、間違いなく衝動的で身勝手な殺人もたくさんしているわけで、そんな男が娘を守るために頑張る姿を見せられても、何だか釈然としない気持ちが残ってしまいます。「連続殺人鬼」と「優しい父」の間をつなぐ理由がもっと必要だったのではないかと思います。

あと、観る側があれこれ理由を考えないといけないような偶然や不可解な状況・行動が連続するのも乗れませんでした。

つまり、映画全体が"説得力"に欠ける点が僕は引っかかってしまいました。

役者陣はそれぞれ素晴らしく(オ・ダルスが良い人役!)、キム・ソリョンが超可愛かったので救われました。

ちなみに別エンディングver.も上映されるようですが、そちらも気になるところです。