アルツハイマーの元殺人鬼vs現役の殺人鬼。この対戦カードの新鮮さはもちろん、ストーリーもよく練られていてとても面白かったです。
アルツハイマーゆえの妄想なのか現実なのか不安定な記憶を頼りに犯人を追う展開は観ていてハラハラするし、先が読みにくい。娘絡みの話なのでなんとなく終着点は見えるものの、思わず画面に釘付けに。終盤の痛々しさが伝わる生身のアクションも見応えがありましたね。
主人公役のソル・ギョングは15キロ(?)減量して挑んだそうで、さすがです。顔を痙攣させる演技など、認知症モードと殺人鬼モードの切り替えが凄まじかった印象。悪役のキム・ナムギルの気味悪さも光ります。一方、娘役のソリョンのかわいさと安定のオ・ダルスのおかげで重くなりすぎずに観れました。
ラストは賛否ありそうですが、こういう終わり方はなんとなく韓国映画らしいような気がするので嫌いではないかな。
終始ハラハラさせられる、良質なサスペンス映画でした。何回も観たいタイプの映画ではないけど、ぜひともおすすめしたい1本。
何やら別エンディング版があるそうで、気になります。