MasaichiYaguchi

ミッドナイト・ランナーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・ランナー(2017年製作の映画)
4.0
警察学校を題材にした映画というと「ポリスアカデミー」シリーズが有名だが、パク・ソジュンとカン・ハヌルという韓国の若手ホープ俳優がW主演した本作では、現場経験ゼロの警察大学生2人が偶然遭遇した凶悪な拉致事件に挑む様を、所々に笑いを織り交ぜながら怒濤の肉弾アクションで繰り広げていく。
この若者たち、感情先行型で行動派のキジュン、理論重視の頭脳派のヒヨルと全く対照的な2人なのだが、ある切っ掛けで意気投合してバディを組む関係になっていく。
韓国の警察大学校が主な舞台なので、如何にもいう感じで厳しい規律と訓練に彩られた学校生活が描かれるのだが、とはいえ血気盛んな若者たちゆえのネタが色々出て来て笑わせてくれる。
そんな2人が休暇外出先で若い女性の誘拐拉致を目撃したことから、正式な警察官ではない彼らの違法とも言える捜査が幕を開ける。
単なる警察大学生で捜査権も逮捕権もない彼らを突き動かすのは、目の前で繰り広げられた許さざるべき犯罪と、不条理にも被害に遭った弱き存在を救いたいという強い思い。
彼らは学校で学んだことを忠実に実行して拉致事件に迫っていくが、やがて判明する事件の背後にある凶悪さ。
W主演のパク・ソジュンとカン・ハヌルは、時に挫折や葛藤しながらも警察官候補生として、人として正しい事をしようともがく2人を、夫々のキャラクターを活かしながら体当たりで演じている。
そこにある真っ直ぐさ、潔いまでの決意が胸にストレートに響いてくる。
役人たちの汚職塗れのニュースが取り沙汰されている昨今、一服の清涼剤のように思える2人は続編で帰ってくるとのことなので、彼らの更なる成長と共にその公開を期待したい。