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模倣霊のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

模倣霊(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ペットショップを営む夫妻は、認知症の母の静養も兼ね、幼い長女を連れて田舎の村に移転する。夫妻にはふと目を離したすきに長男が行方不明になったという過去があった。近所の子どもに迷い犬の捜索を頼まれた妻は、森の奥深くに洞窟を見つける。その側で薄汚れた服装の少女と出会う。後日夫妻の家を訪ねて来た少女を泊めることになるの。少女は最初は無口だったものの、やがて夫妻の娘と同じ名を名乗り、そっくりな声で喋るようになっていき…という話。韓国産ホラー。以前、某映画祭で出展されていたのを見逃していたので、今回鑑賞。

ストーリー進行に問題はないのに、見せ方が悪いのかあまり怖さを感じない作品。本作の妖怪は、徐々に人間の視力を奪いつつ、その人間に近しい者の声で誘いをかけるという特徴を持つのだが、視力を奪われた登場人物視点の描写がほとんど無いため、暗闇の中で妖怪の声しか手ががりのない絶望的な状況を上手く表現できていなかった。息子が失踪した妻の悲しみや、妖怪になりつつもかつての母親を追い求める少女の健気さなどには引き込まれたし、妖怪を召喚する儀式にはおぞましさを感じた。後半の展開が同じ韓国映画の「哭声」に似ているという意見が多い。でも、哭声の方が数千倍は怖い。夫役の俳優が木下ほうかに似ている。
以前「エスター」を観たときにも思ったのだが、本作の母親も失った子どものことを考えるあまり、現在側にいる娘をややおざなりにしているように感じた。気持ちは分かるし、単純には割り切れないだろうけれど、結果本作では娘は母親を失ってしまうことになってるのはとても残念。
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