toshi

パパはわるものチャンピオンのtoshiのレビュー・感想・評価

5.0
最近はあまり見なくなったプロレス。でも小学生の頃新日本プロレスの中継を毎週観る様になってから現在まで、やっぱりプロレスファンの一人であります。
長い下火状態だった日本のプロレス界ですが、ここ数年では新日本プロレス人気が再燃し会場は満員状態が続いている様です。そんな新日本プロレスのレスラー達が活躍する今作。原作は珍しく絵本なのですが、児童向けな旨内容は分かり易く先も読めちゃいます。でもそれが良かったです。
またまた「こんなの見せられたら泣くしかないョ!」と泣きっぱなしの今作でした。

チャンピオンまで上り詰め、ベビーフェイスレスラーだった大村孝志。但し10年前に膝を故障し、これまでのレスリングが出来なくなったことでヒールレスラーのゴキブリマスクになります。
ヒール且つリング名がゴキブリマスク何て息子の祥太に伝えることが出来ない孝志・・・。伝えきれず時は流れて10年経っていました。そんなある日祥太がプロレスの試合を偶然目にしてゴキブリマスクがパパの孝志と知ります。

パパの職業は何だろう?と思いながらもそれを知るまではとても仲の良かった親子。祥太役があの寺田心さんとあっては、その仲の良いシーンを観るだけで胸がキュンとなってしまいます。
そしてパパの職業を知った後のパパ孝志と祥太の切なすぎる距離感。
祥太はプロレス好きな仲の良い女の子にもパパの事を話すことが出来ず、それでもその女の子親子と友達と一緒にプロレスを観に行きゴキブリマスクであるパパを観るのが辛くて堪らない様子。大好きなパパが悪者レスラーで、それを隠してみんなと観戦・・・。祥太、辛かっただろうなぁと思うともう涙が止まりませんでした。

後半からはパパ孝志と祥太がまた仲の良い親子に戻れるのかが気になるところですが、木村佳乃さん演じる妻の詩織の一言が孝志の心を動かし、そして孝志はある決心をします。
ラストの試合は私が思っていた内容と異なったのですが、それは詩織の一言があったからそうなったのだと思うとまたまた涙w
その試合でのパパ孝志の姿を見て祥太はどう思ったのか。
そしてこの愛しい親子は仲直りが出来るのか・・・。

素晴らしい作品でした。新日レスラーを沢山起用って映画としては演技とか不安?と思ったのですが、試合のシーンはやはりプロのレスラーですから迫力あって良かったです。また元々プロレスはお芝居ですからw レスラーはある程度演技できるのは当然だよなと鑑賞していて一人納得。
中でも孝志(棚橋)の相方を演じた田口の演技が素晴らしかったです。下手な役者さんよりも全然センスのある演技でした。真壁はTVでもいつもあんな感じなので良しとしてw オカダもまぁまぁ良かったです。尚、彼の必殺技レインメーカーは今作ではドラゴンメーカーになっておりました。

最後に・・・。仲里依紗さん演じるプ女子の編集者の存在が今作を引き締めてくれたと思いました。
彼女が、大泉洋さん演じる編集長に放った「プロレスとは?」の台詞はプロレスファンならきっと涙すると思います。

【余談1】
今作のロケ-ションが個人的には嬉しかったです。孝志がランニングする場所は荒川河川敷で、背景に第一三共のビルが見えたりタワーホール船堀が見えたりで何気にちょっとした感動。また孝志と祥太が話したり肩車した場所はららぽ豊洲前の広場でした。今作豊洲のユナイテッドシネマで観ていたらもっと感動していたかもしれません。
【余談2】
私は基本レビューでは、日本の俳優さんにはお名前に全て「さん」をつけさせていただいております。全くの他人ですので「さん」を付けないと失礼と思ってそういった個人的なルールを設けています。が、レスラーの方達には「さん」付けしません。レスラーに「さん」付けするとちょっとイタイプロレスファンになるというか、何十年も前からプロレスを観てきた身からするとそれはちょっと違うと思っています。
因みに試合でもゴング直後とかに良くある組合いの攻防にて、レスラー同士が組合い攻防し、離れると会場は拍手を贈るのが数年前から当たり前の様になっているみたいです。が、あれも「自分はプロレスを知っている」とか「組合いの後は必ず拍手する」とでも思っているの?と私からしますと失笑してしまう行為にしか見えません。日本のプロレスを分かっていないです。
【余談3】
フォローワのりょーこ様とバンドのドラマーから味のプロレスという単行本を勧められましたが書店に行っても中々見当たりません。そこでWebで調べたところ幾つかネタが・・・。そして私が目にしたものは今は亡きサマ斉藤のネタでした。そんなマサ斉藤が解説を担当していた時のネタの一つが下記。
(アナウンサー)「マサさん!ノートンの勢い凄いですね~」
(マサ)「彼はね~最近家を買ったんですよ。」

さすが我らのマサ斉藤w
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