特売小説

パパはわるものチャンピオンの特売小説のレビュー・感想・評価

-
前半では特に。

小学校低学年の息子が自身の父親の職業をクラスメイトに教えられない恥ずべきものと認識する、という前提の下に作られたドラマが展開する訳ですけれども。

その前提を観客に呑ませる為のエピソード、冒頭に置かれたそれに於いて反証を示して或いは退けられる事をしないまま話を進めてしまう、が故に詰まりは足下がぐらぐらな訳ですよ、土台もない場所に城を建て始めちゃうんですよ。

そして万事が万事、その調子。

詰まり、息子くんの父親に対する感情が変化する場面に於いてその切っ掛けとして、わるものが存在する理由だったり、或いはわるものの長所だったりが語られる訳ですが、いずれ根拠がなく一方的な言い分になってしまっている、因って甚だしく説得力を欠いた上辺なぞりに過ぎない。

乗れないっすよ、全然乗れない。

本作がその背景になんらかの文脈を持つとして、それを完全に無視して言っちゃいますけれども。

将来の夢についての作文を発表する息子くんの授業風景に於いて、夢はない、いずれ叶わぬならば抱くだけ無駄だ、という主張をいずれの子供の口を借りてぶっ込んだ監督の心境、心情が心配になりますよ、と。
特売小説

特売小説