垂直落下式サミング

アナと雪の女王/家族の思い出の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.5
短編にしては、けっこうガッツリめなストーリー。
家族愛を描く『リメンバー・ミー』の同時上映なので、ラテンアメリカの家族観とはちがうノルウェーの「伝統」であるとか、あるいは長く栄えているつましい靴職人の大家族と、たった二人の家族の絆が決裂する経験をした王家という二つの血族が対比され、その異なる家族の在り方が示されるのかと思ったのですけど、けっこう両方締め括りが似たような着地なので、前座として空気読めてない感じがした。時そばを二回聞いた落語会みたいだ。
なんかでも、前の話でハッピーエンドということで一応はオチが付いたんだから、サプライズが失敗したからって、すぐ落ち込んで自室に引きこもっちゃうとか、ちょっと拗らせすぎですよ、お姉さま。お前、なかなか厄介なメンタルだな。
クリストフはいつも一緒にいるトナカイのスヴェンの言葉が全然わからないのに、姉妹にはスヴェンが何を伝えたいのかすぐにわかるっていうのが、新時代のプリンセスものっぽくていい。やっぱり、行動する理由や意味を自発的にみつける女性が主人公になると、古典的なおはなしも語られ方が変わって、「男性」と「動物」の役割が今までのとは全然違うものになるのがわかりやすい。
私はちょっとアナ雪が好きすぎて、海外のイラスト投稿サイトまで行って、中国語の文法とかも多少わかるようになるくらいにはいろんな二次創作絵に触れてしまったので、私の中でこの世界が膨らみ過ぎて他が入り込む余地がないほどに氷に閉ざされているため、この後どんな続編が来ようが、もうお腹いっぱいである。
刺激的な内容のものも多く、よい子のみなさんにはあまりおすすめできないアプローチだが、この姉妹の美しい愛をみて新しい世界が開けそうな人には、勇気をもって姉妹百合という混沌に踏み入れてみてほしい。