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バッド・ジーニアス 危険な天才たちのmemmmiiiのレビュー・感想・評価

3.8
くそー!2017年公開でここまでのクオリティのものがあったなんて!
秀才苦学生2人と裕福な友達カップル2人によるカンニングサスペンス。前半は高校内で始まる軽いカンニングが、後半はシドニー⇆バンコクと国を跨いでの大掛かりなカンニングになり、ハラハラ度も増す。

正直言うと『いやそれはバレるだろ』『いやそこまで追いかけないだろ』とツッコみたくなる事だらけなんだけど、そこは大目に見てほしい。なぜなら主役のリンちゃんの演技と立ち姿でチャラにしてくれるから…

☑︎勉強が得意/片親家庭で家計が厳しい/真っ直ぐな性格
☑︎勉強が苦手/金持ちで愛嬌はあってもチャラい
という見え方は気になるが、リンは秀才でもバンクに『今夜賞金でサーモン食べに行く?』と誘ったり、しかるべき所でグレースとパットにピシャリとケリをつけたりと、オドオドしたガリ勉みたいに描いてないところが良かった。

カメラワークもなかなか味があって、バンクが襲われる時に防犯カメラ画像に切り替わり→からのゴミの山(蠅の音)とかの切り替え方が面白い。
クリーニング店で洗濯機が故障して手洗いするしかないバンクの母の顔が全く映らず、荒れた手だけが映るのにもグッときてしまった。
家庭の貧富の差って10代の頃が一番友達比べてしまって辛いよな…

おぼっちゃまパットは両親の言いなりで子供用の椅子に腰掛ける描写からの、苦労しているバンクが意を決してオフィスチェアに座る、っていう椅子描写も刺さった。

しかし現実はタイに限らず、結局は経済力のある家庭の子はより良い教育を受け、優秀な成績をおさめて成功していく『教育格差は収入格差』というのは大いにあると思う。
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