ゆき

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのゆきのレビュー・感想・評価

4.1
狙うのは合格点。

一度きりのつもりで親友を助ける為に手伝ったカンニング。
ところが「ビジネス」として膨れ上がった不正の波に特待奨学生のふたりは飲み込まれていく。

音の演出がとっても効果的。視覚と聴覚で刺激されがっちり手に汗握りつづけました。ビジネスシーンのスピード感と儚い人間模様の緩急もあって飽きる隙間が無い。ひとりひとりの表情が印象深かった。

中国や韓国の学歴社会っぷりは認知していたものの、タイでもこんなに重視されているとは知らなかった。しかも、色白なのは富裕層の表れなのだとか。
「俺達が大学を選ぶんだ」と叫ぶ彼は生まれながらにお金にありつく才能を持ち合わせている。やはり勝ち組。
「生まれながらに負けているの」という言葉から見える生活格差は友情を利害関係のみに変えてしまう。なんとも孤独なビジネスなんだ。
才能は使い方次第で生かすも殺すもできる。
別々の戦いを選ぶ特特待生に一筋でも光射すことを祈る。
タウィーパンヤー校の歌が頭から離れない。
ゆき

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